健康診断

気をつけたい便潜血検査結果の解釈とその後の対応について

健康診断の便潜血検査で「陽性」や「陰性」の結果が出ると、多くの方が不安を感じることでしょう。しかし、この検査結果の解釈とその後の適切な対応を知っておくことは、健康維持のために非常に重要です。便潜血検査の仕組みや陽性・陰性時の対処法、そして不安な場合の次のステップについて解説していきます。これを参考にし、安心して次のステップへ進んでください。

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便潜血検査とは

便潜血検査は、便中に含まれる血液の痕跡を検出することで腸内の異常を探る検査です。この検査は、便に含まれる微量な血液成分を確認するため、大腸がん検診として広く利用されています。通常、肉眼で確認できないほどの少量の血液でも感知できるため、早期発見に役立つのが特徴です。便潜血検査の結果は、「陽性」または「陰性」として報告されますが、それぞれに異なる解釈と対応が求められます。この後のセクションで、陽性や陰性の場合にどのように対応するべきかについて詳しく説明します。

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便潜血検査が陽性の場合の対応とは

便潜血検査で「陽性」と判定された場合、腸内で出血が起きている可能性が考えられます。出血の原因には、大腸がん、ポリープ、炎症性腸疾患、痔など、気を付けるべき典型的な例が挙がられています。陽性結果が出た場合、まずは内視鏡検査(大腸カメラ)を受けて、詳しく腸内を確認することが推奨されます。

便潜血陽性の場合、出血の原因が必ずしも深刻な病気であるとは限りませんが、万が一を考慮して早期に対処することが大切です。たとえ血便などの症状が見られない場合でも、内視鏡検査を受けることで、病気の進行を防ぐことができます。また、痔がある方はその出血が原因で陽性と出ることもありますが、それだけにとどまらず必ず専門医の診察を受けるようにしましょう。

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便潜血検査が陰性の場合の対応とは

便潜血検査の結果が陰性であっても、大腸がんが完全に否定されるわけではありません。便潜血検査は、便に含まれる血液の有無を検出するものであり、大腸がんが常に出血しているとは限らないためです。例えば、大腸がんの人が検査で陽性と判定される確率は、1回の検査では30~40%程度と言われていますが、2日法と呼ばれる2回分の便を検査する方法では、精度が約70%に向上します。

陰性の結果が出た場合でも、定期的に便潜血検査を受けることが大切です。特に大腸がんのリスクが高まる40歳を過ぎたら、毎年の便潜血検査を習慣にし、早期発見に努めましょう。

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便潜血検査の結果で不安な場合

便潜血検査は、進行した大腸がんなどを見つけることができる一方、早期の大腸がんや小さなポリープを見逃す可能性もあります。検査結果が陰性であっても不安が残る場合や、家族に大腸がんの既往がある方、40歳を過ぎた方は、便潜血検査だけでなく大腸内視鏡検査を受けることも検討すると良いでしょう。

大腸内視鏡検査は、早期の病変を確認できるため、大腸がんやポリープの早期発見に有効です。特に大腸がんのリスクが高まる年齢の方や症状が続く方は、安心材料として内視鏡検査を受けるのも一つの手段です。

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まとめ

便潜血検査は、大腸がんやポリープなどの早期発見に役立つ重要な検査です。陽性の場合には必ず専門医に相談し、内視鏡検査を検討しましょう。陰性でも毎年検査を受ける習慣をつけ、健康管理を徹底することが大切です。また、検査結果に不安がある方は、早期発見のためにも大腸内視鏡検査を検討することをお勧めします。

健康診断での便潜血検査をきっかけに、日頃の健康維持に努めましょう。

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