近年、健康管理の一環として人気を集めている人間ドックにおいて、特に注目を集めているのが「心臓検査」です。心臓の検査は、心臓の健康状態を評価するために行われます。通常は心電図が行われますが、オプション検査としては、以下のものがあります。
目次
心エコー検査(心臓超音波検査)
心エコー検査は、心臓の構造や機能を評価する重要な方法です。この検査は、心臓のサイズ、形状、動き、さらには心臓内の血流の様子をリアルタイムで観察することができ、健康診断の一環として、虚血性心疾患や心不全などの心臓疾患のリスク評価や早期発見につながります。ドップラー法を併用することにより詳細な情報が得られます。この検査により、必要な場合には早期治療やライフスタイルの変更を促すことができます。
負荷心電図(ストレステスト)
負荷心電図は、運動や薬物を使用して心臓の応答を評価するために行われます。心臓に負荷を与えて、冠動脈疾患のリスクを評価します。
心臓MRI(心臓核磁気共鳴画像)
心臓MRIは、心臓の構造と機能を評価するために使用されます。心臓の大きさや弁膜に関する詳細な情報を提供します。MRIについては、脳MRIの項を参考にしてください。
心臓CTアンジオグラフィー
心臓CTアンジオグラフィーでは冠動脈の詳細な画像が得られ、冠動脈疾患や動脈瘤の評価に使用されます。
ホルター心電図モニタリング
ホルター心電図(Holter electrocardiogram)は、24時間以上にわたって継続的に心電図を記録する検査で、体につけたまま日常生活を送ることができます。この検査は、日常生活の中で心臓の電気信号をモニターし、不整脈などのリスクを評価するのに使用されます。狭心症の判定に用いられることもあります。特に、胸痛、めまい、失神などの症状があるときに有用です。なお、最近ではイベントモニターや携帯型心電図モニターを用いることにより、さらに長時間の心電図がとれるようになっています。イベントモニターを用いると数日から数週間、場合によっては数ヶ月にわたって心電図を記録することができます。
参考)微小血管性狭心症について
微小血管性狭心症(Microvascular angina)は、心臓の小さな血管(細動脈)に問題が生じることによって起こる狭心症の一種です。一般的には狭心症は、心臓への血液を運ぶ主要な冠動脈が狭くなることで起こりますが、細動脈性狭心症はこれらの大きな血管ではなく、心臓に血液を供給する小さな血管に問題がある場合に発症します。胸痛や胸の圧迫感が主な症状ですが、これは活動時やストレス時に発生し、休息によって改善されることがあります。特に中年以降の女性に多く見られる傾向があります。主要な冠動脈には明らかな狭窄が見られないため、通常の冠動脈造影では異常が見られないことが多いです。診断には運動や薬物を使用して心臓に負荷をかけ、症状の発生と心電図の変化を観察します。また、特殊なMRIなどにより心筋の血流量を測ったり、冠動脈造影によって血流増加能にどれくらい余裕があるか、血流不足が起こっていないかを調べる方法が有用です。
NT-proBNP(BNP)
NT-proBNPは心臓の負担や心不全の指標として使用され、心機能の評価に役立ちます。
まとめ
これらの検査は、特定の心臓疾患やリスク因子に対処するため、現在の心機能を評価するために行われます。個人の健康状態やリスク要因に応じて、医師が目的に合った検査を助言します。